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ノンアル大好きZ世代が飲み始めた?若者の飲酒トレンド海外事例

世界的な酒類専門市場調査会社IWSRが昨年2025年に実施した最新の調査によると、調査対象となったアメリカ、イギリス、フランス、日本などの主要15ヶ国のZ世代(飲酒合法年齢21歳から27歳)の若者のうち、過去6か月間にアルコールを口にしたと答えた割合が73%と前回の調査から増加したことがわかった。一般的にZ世代に象徴される若者世代は酒を飲まない傾向が強いとされるが、その傾向が変化し始めた可能性がある。海外の若者の最新飲酒トレンドをお伝えする。

 

Z世代の若者たち酒を飲み始めた?

一般的に酒を飲まない世代とされてきたZ世代(1997年から2012年生まれの世代)だが、その認識を改める必要を感じさせる調査結果が出た。上述のIWSRの調査では、Z世代のうち、過去6か月間にアルコールを口にしたと答えた人の割合は73%で、二年前の前回調査の66%から7ポイント上昇している。上昇率では他のどの世代をも上回っており、特にアメリカのZ世代では46%から70%へと一気に24ポイントも上昇している。

しかし、Z世代はミレニアル世代(1980年から1996年生まれ)やX世代(1965年から1980年生まれ)よりもアルコールを飲む人が少ないのは変わりない。過去6か月間にアルコールを口にした人の割合は、ミレニアル世代83%、X世代79%となっている

Z世代はスピリッツ系飲料がお好き?

同調査はまた、Z世代は特にスピリッツ系飲料がお好みで、スピリッツベースのカクテルなどを好んでいることを明らかにしている。また、Z世代は一人で飲むよりもバーやレストラン、パーティーなどで他者と一緒に飲むことをどの世代よりも好んでいる。酒を飲むZ世代の半数が、最後にアルコール飲料を飲んだ場所を「パーティー会場」であると答えている。

Z世代が酒を飲み始めた理由についてだが、あるアメリカ経済誌記者は、「Z世代のライフスタイルが変化したことも考えられますが、Z世代を構成する中心層の年齢が20代半ばへと突入し、相応の収入を得始めていることが大きいと考えられます。ほんの数年前に比べても、今のZ世代は明らかにアルコールに使えるお金をより多く持っています」とコメントしている。

Z世代が年を重ねるにつれて収入が増加し、アルコール飲料を嗜みたくても経済的に難しかった一定層が飲み始めたという実情があるようだ。今後さらに多くのZ世代がアルコール飲料を嗜むようになるかは、ひとえに彼らが置かれた経済状況による部分が相応に大きいと考えられる

Z世代にとっては「飲むことはファッションのようなもの」

ところで、Z世代における飲酒のトレンドについて、IWSRのチーフ・オペレーティング・オフィサーのリチャード・ハルステッド氏は、次のようにコメントしている。

「酒を飲まないライフスタイルはZ世代にのみ見られるトレンドではありませんが、Z世代においてとりわけ顕著であることは間違いありません。近年は、Z世代を含むすべての成人において禁酒を目指す傾向があります。そうした中、Z世代は、酒を飲む時には何か特別な体験を求める傾向が強いのです」

「それゆえ、酒を提供する側においては、Z世代に対してイノベーションを提供することが極めて重要になります。ファッションの世界においてZ世代が様々なイノベーションを求めているのと同じようなものです。変化し続けるZ世代のニーズに迅速に対応し、イノベーションを提供しなければならない。単にビールやワインを提供すれば良いというものでは決してないのです」

これから主力の消費者となるZ世代においては、酒を飲む層と飲まない層が明確に分かれてゆく。酒を飲む層に対しては、何らかのイノベーションを伴ったアルコール飲料を提供して特別な体験をしてもらう必要がある。「イノベーション」「特別な体験」「他者とのつながり」が、これからのZ世代のドリンカーに対するキーワードになりそうだ

依然として日本の若者は酒を飲まない?

一方、日本の若者の飲酒トレンドはどうなっているだろうか。ニッセイ基礎研究所のレポートによると、2023年時点でアルコールを飲めないわけではないものの、「ほとんど飲まない」「やめた」と回答した、いわゆるソバ―キュリアスとされる層は若年層ほど多く、20歳代では男女ともに約2割を占めるとしている。また、「飲まない(飲めない)」と回答した層も含めると、現在の20代の約6割が日常的にアルコールを摂取しない生活を送っているとしている

同レポートは、日本の20代の若者にとっては「飲酒はコストパフォーマンスが悪い娯楽」と見なされつつある可能性があるとし、飲酒によるメリットよりも健康リスク、出費、時間の消費、失敗するリスクなどのデメリットの方が上回ると捉えられている可能性があると指摘している。

なお、筆者は日本のZ世代も、アメリカのZ世代のように、今後一部の層が飲酒における新しい体験を見出し、アルコール飲料を嗜むようになる可能性を捨てきれないと考えている。同時に、世界主要国のZ世代が好む一連のノンアル飲料が日本のZ世代にも支持され、消費が広がってゆくとも予想している。

これからの日本の飲食業においては、酒を飲まない・飲めないソーバーキュリアスなZ世代と、アルコール飲料をそれなりに嗜むZ世代という二つの客層に対応し、それぞれのニーズを満たしてゆくことが求められるだろう。そして、いずれの客層に対しても、イノベーションをベースにした「新たな体験」を提供することが求められるのは言うまでもない。上述のIWSR幹部の発言のように、「単にビールやワインを提供すれば良いというものでは決してない」ことは火を見るよりも明らかだろう。

 

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参考データ・出典


執筆者プロフィール
前田健二(まえだ・けんじ)
maeda大学卒業後渡米し、ロサンゼルスで飲食ビジネスを立ち上げる。帰国後複数の企業の起業や経営に携わり、2001年に経営コンサルタントとして独立。新規事業立上げ、マーケティング、アメリカ市場進出のコンサルティングを行っている。米国のベストセラー『インバウンド マーケティング』(すばる舎リンケージ)の翻訳者。明治学院大学経済学部経営学科博士課程修了、経営学修士。

 


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