経済産業省のレポート「No show対策レポート」によると、我が国飲食店のノーショー(無断キャンセル)による被害額は年間2000億円に達し、予約全体の約1%を占めているという。ノーショーは、飲食店に売上逸失という直接的な被害のみならず、仕入れコストや人件費の空費も強いられるなど極めて大きなインパクトをもたらす。飲食店がノーショーの被害を防ぐにはどうしたら良いのか。キャンセルポリシーの整備や予約デポジットなどの対策を含めて現状をお伝えする。
飲食店の約四割がノーショーを経験
飲食店向け予約システム開発のTableCheck(テーブルチェック)が行った調査によると、調査対象となった飲食店の約四割がノーショー(無断キャンセル)による被害を受けたことがあると答えている。ノーショーの被害は数名程度の予約からある程度の規模の団体予約にまで及んでおり、飲食店にとっては無視できないものだ。
ノーショーの被害は、予約の規模に比例して大きくなる。最近では特にインバウンド客に売上を依存している飲食店が大口の団体予約をノーショーされ、大きな被害を受けるケースも出てきている。ノーショー問題は、時に飲食店の経営基盤を揺るがすほどの影響を与える問題なのだ。こうしたノーショー問題に対し、飲食店はどのような対策を採るべきだろうか。
対策①キャンセルポリシーを整備する
ノーショー対策の第一は「キャンセルポリシーの整備」だ。上述のTableCheckの調査によると、飲食店の73.3%がノーショー問題に対して特に何の対策もしていないと答えている。そうした飲食店の多くはキャンセルポリシーを整備しておらず、ノーショーの被害に遭ってどうしたら良いのか慌てふためくケースが少なくない。キャンセルポリシーを整備し、ノーショーをした場合にキャンセル料金が課せられることなどを予め示し、双方合意の上で予約を成立させるプロセスを確保することが必要だ。
宿泊業の場合、一般的にお客が宿泊予約を行う際にキャンセルポリシーを含む宿泊約款が提示され、双方合意の上で予約が成立する。例えば、2日前までのキャンセルについては20%、当日キャンセルは80%、連絡なしのキャンセル(ノーショー)は100%の違約金が課せられるといった具合だ。飲食業も宿泊業同様に空間を時間で切り売りする性質は同様であり、宿泊業のようなキャンセルポリシーが適用されたとしても問題はないだろう。また、万が一ノーショーの被害にあった際にも、キャンセルポリシーに基づく具体的な被害額の算定が必要となる。キャンセルポリシーの整備は、ノーショー対策の一丁目一番地だ。
対策②予約デポジットや事前決済システムの導入
ノーショー対策の第二は「予約デポジットや事前決済システムの導入」だ。予約デポジットとは、予約した料理やサービスなどの料金の一部を予約時に預り金として徴収する仕組みだ。万が一お客がノーショーをした場合、予約デポジットを予め徴収しておけば被害額の減殺が出来る。また、事前決済システムであらかじめ料金を丸ごと決済しておけば、ノーショーによる売上の逸失を防ぐことが出来る。
宿泊業においては、予約デポジットや事前決済システムは相当程度普及しており、予約客の側においても特に違和感は持たれていない。その状況を踏まえるに、飲食業も宿泊業と同程度まで予約デポジットや事前決済システムを普及させることは自然だろう。特に規模が大きい団体客の予約については、予約デポジットや事前決済制度の利用を必須にしても良いかも知れない。
対策③連絡先情報の取得とリマインドの徹底
ノーショー対策の第三は「連絡先情報の取得とリマインドの徹底」だ。予約客の氏名と携帯電話番号といった基本的な情報に加えて、メールアドレス、クレジットカード情報、緊急連絡先といった情報を可能な限り取得すると良い。クレジットカード情報などは、オンラインのセキュアサイトなどを経由すると入手しやすいだろう。
また、予約客に予約日の数日前までにリマインドを行うことも重要だ。リマインドを行うことで予約客の失念を防ぎ、来店の確実度を上げることが出来る。リマインド時にメニューの予約内容や料金などをリコンファームすることで、予約に関する双方の認識を再確認することもできる。リマインドは電話やメールに加えて、各種の予約プラットフォームが提供しているメッセージング機能などを利用して行うのが良いだろう。
キャンセル料回収代行や損害補償サービスの利用も
なお、いくらノーショー対策を万全に整えたとしても、ノーショーを完全に防止することは難しい。善意の予約客が本当に失念するといった事態は発生しうるものであり、ミスをする人間である以上どうしても避けられないからだ。一方、意図的なノーショーなどの悪意を持ったケースに対しては、相応の対応をとるべきだろう。特にある程度の規模のノーショーなどが発生した場合、キャンセルポリシーに基づいて損害額を確定させ、予約客に請求すべきだ。
最近は、弁護士が飲食店に代わってキャンセル料などを督促・回収するサービスを提供している。回収に際しては一定の手数料の支払いが必要になるが、多くの場合着手金など不要で依頼できる。特に悪意を持った予約客に対しては、飲食店から損害賠償を直接請求されるよりも、弁護士から請求される方がより大きなインパクトを与えることができ、実際の回収率も高められることが期待できる。
また、各種の飲食店予約プラットフォームも「無料キャンセル保険」などの損害補償サービスを提供している。例えば某飲食店予約プラットフォームでは、4人以上の予約について無断キャンセルが発生した場合、利用予定者1人あたり最大4000円を保証してくれる。同飲食店予約プラットフォームのユーザーに対して提供されているサービスだが、該当するケースでは積極的に利用すべきだろう。
飲食店におけるノーショー問題は、特に最近の特定国からのインバウンド客のノーショー問題が話題になることなどもあって、改めて注目と関心を集めている。飲食店経営者においては、ノーショー問題にしっかりと対応し、万が一ノーショーの被害に遭った場合に相応の行動をとることが求められている。
参考サイト
https://www.tablecheck.com/ja/blog/seo-cansel-no-show/
https://tokyoryouri.jp/wp-content/uploads/2020/01/2020012202.pdf
https://dotakyan.com/
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大学卒業後渡米し、ロサンゼルスで飲食ビジネスを立ち上げる。帰国後複数の企業の起業や経営に携わり、2001年に経営コンサルタントとして独立。新規事業立上げ、マーケティング、アメリカ市場進出のコンサルティングを行っている。米国のベストセラー『インバウンド マーケティング』(すばる舎リンケージ)の翻訳者。明治学院大学経済学部経営学科博士課程修了、経営学修士。




