SNS が身近な存在となって久しくなりました。当然、店舗でも使い、売上げ貢献に役立てたいと考えている人は多いでしょう。けれど、実際には苦戦している店舗が多いものです。
そこで今回は、SNSを使っているものの、成功したことがない店舗に向けた、SNSでの効果の出し方についてお伝えします。

 

使ってはみたものの集客につながらない。悩み多きSNS事情

SNS とは、ソーシャル・ネットワーキング・サービスのこと。Facebook、Twitter、LINE @、Instagramなどが有名です。

SNSイメージ近年では、飲食店で、「どれもやったことがない」というところは稀だと言われています。その一方で、
Facebook をやってみたけれど、いいね!が集まらない
Twitterで呟くもののまるで独り言状態で誰も見てくれない
LINE@をやってみたが、登録者を集められない
Instagram で、ある程度のいいね!はつくものの、集客につながらない
といった悩みを持っているところが多いと言われています。

そのような人は、SNSの使い方が間違っているのかもしれません。
SNS は優秀な集客ツールでもあります。ただし万能ではないため、正しく使わなければ効果は出ません。まずは、それぞれの SNS の特徴から簡単に触れていきます。

 

Facebook、Twitter、Instagram・・・。それぞれのSNSの特徴

今回は、すでに何らかの形でSNSを利用したことがある人に向けた情報ですが、まずは SNS に対する基本的な知識を確認しましょう。

 

Facebook

メインユーザーが若者から40代に上がったと言われるSNSです。Facebook ページを作り、プライベートアカウントとは別に、お店専用のアカウントとして運用します。

発信できる情報量が多く、ホームページの代わりに使っている店舗があるほど。また、宣伝が比較的簡単で、ターゲットを絞り込んで戦略的に投げかけることができます。高年齢層にユーザーが多いため、この年代に向けた情報発信ツールとしては最強です。

ユーザーは実名登録をしていること、また、セキュリティ設定に神経質な人が増えたため、他のSNSより拡散性は低くなります。そのため、すでに「いいね!」がたくさん集められている場合は非常に強みになる反面、これから始める場合には努力が必要です。

 

Twitter

息の長いSNSの代表で、特に日本語に強いという特徴もあり、愛用している人が多くいます。1回140文字という短い文章を発信するので、あまり深く考えずに気軽に発信できるのが特徴。また、ユーザーは匿名であり、気軽にリツイートできるため、爆発的な拡がりをみせることがあります。

ただし、逆に悪い情報が拡散される危険性もはらんでいます。古い情報でも、あっという間に炎上してしまうので、注意が必要。例えば、お店がまだ売れていない頃の気軽なつぶやきが、その後何年も経ってから「あの店の現状はこうだ」という風に拡散されるケースがあります。情報管理という部分ではデリケートだと言えるでしょう。

 

Instagram

若者に人気で、言葉ではなく写真メインで伝えるSNSです。拡散性が高く、ユーザーは匿名性のため「いいね」を集めやすく、フォロワーも獲得しやすいのが特徴です。余計な情報をつける必要がないため、Twitterのように炎上する可能性は低いのですが、逆に「何を発信すればいいのかわからない」と感じている店舗が多いと言われています。

また、「毎日投稿しているのに反響がない」という例では、写真に魅力がないことが挙げられます。写真で訴える以上、写真のクオリティの高さは不可欠になります。

 

LINE@

LINEの店舗バージョンとも言うべきもので、LINE@を使ってつぶやけば一気にたくさんの人に届けることができ、返信は1対1でのやり取りとなります。LINEは日常的な連絡手段として使っている人が多く、同じ感覚で予約を受けたり、質問に答えたりできるため、営業にはとても役立ちます。

届けた情報は見てもらえる可能性が高く、情報が伝えやすい反面、最初にお客様が「お友達登録」をしてくれなければならず、その意味では拡散性もなく、店舗での最初の努力が必要なツールです。

 

SNSを売上げにつなげる10のコツ

それぞれのツールの特徴が分かったところで、ここから SNSを効果的に使うためのコツを紹介します。
*LINE@は特徴的なので、該当しないものもあります。

 

コツ1 使用するSNSツールは1つに絞る

SNSイメージうまく活用できていない例で最も多いのは、複数のツールを使っているケースです。これは絶対に避けるべきです。確かにチェーンなどでは複数のツールを使っていますし、それによって集客をしています。ただしこれは、専門の部署があり、戦略的に行っているからできるものです。

また個人店でも、いくつかの方法を併用して集客できているところがあります。これは、担当者の生活にSNSが入り込んでおり、苦も無く1日に何回もアップできるという特殊な例です。

例えばTwitterを例にとると、1日30回つぶやける人などがざらにいます。ですが、ほとんどの人は、そんなことはできません。それなのに、「Facebookがいい」「Twitterがいい」と聞きかじるたびに、どんどんと増やしていくと、結局どれも露出が減り、効果がなくなってしまいます。ツールは1つに絞ってください。

 

コツ2 強みを活かす

何に絞るかと言えば、すでに何か強みがあるツールがあればそれを使います。
「Facebook でいいね!が500以上ついている」とか、「Twitterでフォロワーが1000人以上いる」という場合であればそれに一点集中します。

現段階で何も強みとなっているものがないという場合は、店舗にいる人材の強みを活かします。写真を撮影するのが得意なのであればInstagram。それ以外であれば、Twitterに力を入れるのが無難です。

 

コツ3 SNS 発信者にお金を払う

SNSでの発信は日常的に行われるものであり、「担当者を決めれば、後は適当にやってくれるはず」と思い込んでいませんか?
しかし、実際には、片手間でできるほど気軽なものではありません。また、SNSでの活動はマーケティングですから、当然コストがかかります。継続的に露出度を高めるには、「1日2000円(時給2時間分)の手当を付けるから、1日20回つぶやいてほしい」などとしっかりとコスト換算することが重要です。

 

コツ4 直接売上につながるつぶやきを期待しない

SNSイメージ集客に直接的につながることを期待する人がいます。例えば、「本日来店した方には○%引き」というような、直接的な来店動機のつぶやくことを求めます。

ところが、 SNSを見ている人は、すでにお店の常連か、お得な情報を目指してくるリピートが期待できないお客です。しかも、今はさまざまな値引きの方法がネット上にあり、割引で集客するには、10%引き程度では魅力がありません。大幅に値引きをし、しかもリピートしないのでは意味がないのではないでしょうか?

また、「店はこんな特徴があります」とか、「こんなに素晴らしい素材を使っています」というのは魅力的ですが、それではあっという間にネタが尽きてしまいます。Twitterで1日10回つぶやくとした場合、その全てをお店の魅力だけにしようとすると、10日で100個。1ヶ月で300個。1年365日で考えれば、3650個の魅力がなければ発信できません。

お店の魅力はたくさんあると思いますが、そこまであるか?と言われれば疑問です。その面からも、自分の店の宣伝だけに固執した情報発信は諦めた方が良いのです。

 

コツ5 SNSではファン作りに徹する

SNS の集客方法は、これまでのチラシなどとは違います。まず SNS 上のファンを作り、コツ4 直接売上につながるつぶやきを期待しないことにあります。 SNS を見ている人のほとんどは、お店に足を運んだことがない人。そういう人をたくさん作ることにより、お店のファンができ、ひいては集客もアップするという仕組みです。

そのため、お店の宣伝にならないことも多くつぶやく必要が出てきます。このあたりはしっかり理解していなければなりません。「店に関係ないことばかりつぶやいて、何をやっているんだ」と言ってしまっては意味がないのです。

SNSのポイントは共感です。共感することでファンとなり、来店につながります。そして、受け手は人です。人は人に共感しやすい特徴を持っています。そのため、クローズアップすべきは、店舗ではなく人。ここは大きなポイントとなります。

大企業でもこの手法は採用されています。有名なところでは、Twitterのシャープさん(https://twitter.com/SHARP_JP)やタニタくん(https://twitter.com/TANITAofficial)など担当者の自由な発想でファンの心を捉えています。

これを飲食店に置き換えるなら、店長が感じていることを店長目線で発信させるという方法はいかがでしょうか?
これは、「店長に会いたいから店に行く」という動機を生みやすくなります。この観点から見ると、「今日はおいしい魚が入ったから、気合いを入れて調理します」というつぶやきと一緒に、「今日は天気がいいからやる気がでる」という店に関係のないつぶやきもOKとなります。

お店の情報が流れてくればそれはただの連絡。そこに人の匂いがするからこそ人が寄ってくるのです。

 

コツ7 人がダメならキャラクターを作る

特定の人にやらせるのは難しいと言う場合は、キャラクターを決めるという方法があります。キャラクターと言っても、ゆるキャラを作るのではなく、たまたま店にあったぬいぐるみ(版権がないもの)を主人にしてつぶやかせるのです。

ただし、このキャラクター設定がブレブレではどうしようもありません。キャラクターを使うならば、細かいところまで決めておく必要があります。

 

コツ8 お客のつぶやきは徹底的に拾う

自分で発信する情報には限りがあります。そこで、お客さんがお店に関することをつぶやいたら、徹底的に返事を書いていくのです。ハッシュタグがついたものはもちろん、ついていないものでも検索をして探すのがポイント。これがお客の喜びとなり、「公式から返事が来た。ありがとう」と、またつぶやいてくれることになり、拡散性は上がります。

 

コツ9 Youtubeにも挑戦してみるのもあり!

ずいぶん前から存在しているYouTubeですが、通信速度が速くなったことで、さらに注目を浴びているツールのひとつです。2019年には、これまでと使われ方が大きく違ってくると考えられており、「エンタテイメント性から実用性へ」などという人もいます。まだまだ手探りの部分もありますが、非常に熱い存在であることは明らか。これまでのユーチューバーを目指すのではなく、実用的な情報を流すことでファンを獲得する方法もあります。

例えば、魚のおろし方を固定カメラで撮影し、「こんなに手早く魚をおろす人の料理を食べてみたい」と感じさせる方法があります。もちろん、数本の動画を流しただけでよい結果が出てくるわけではありません。100本の動画を作って流して、そこから成果が出てくるというもの。それでも固定カメラで撮影し、編集は最小限にして配信すれば、1日2本として50日あれば100本になります。強みはないという場合は、試してみる価値があります。

 

コツ10 複数チャレンジは1つが成功してから

最後に、2つ目のSNSはいつ始めればいいのかという問題ですが、これはひとつがきっちりと成功してからです。一点集中をすることで成功体験を持てば、他でも同じように繰り返せばいいのです。あれもこれもとやるのではなく、あくまでもスタートはひとつ。
場合によっては、その一点だけに集中することで集客が増え、他のものを手掛ける必要がなくなることもあります。

 

まとめ

SNSは、ツールのはやり廃れはあるものの、なくなることはありません。うまく活用していくことで売上を上げることは、今後ゆるぎないものになります。そして、ひとつの成功体験は新しいツールが出てきたときの武器になります。
自分の店の場合、どれなら無理なく集中できるのか、それが最も大切なこと。早速、得意なツールに絞ることからはじめてください。

 


ライタープロフィール
原田 園子
兵庫県出身。  株式会社モスフードサービス、「月刊起業塾」「わたしのきれい」編集長を経てフリーライター、WEBディレクターとして活動中。