アメリカでフードデリバリーの利用が進んでいる。新型コロナウィルスの感染拡大や、それに伴う巣ごもり需要の増加によりフードデリバリーの利用が広がっているのだが、アメリカ人はフードデリバリーで一体何を注文しているのだろうか。Uber Eatsが発行しているレポートからお伝えする。

アメリカで利用が進むフードデリバリー

アメリカの市場調査会社エキスパート・マーケットリサーチによると、2020年時点のアメリカのフードデリバリー市場規模は185億ドル(約2兆2200億円)で、今後年率10.5%の成長率で成長を続け、2026年までに337億ドル(約4兆440億円)規模に達するという。新型コロナウィルスの感染拡大により巣ごもり需要が増加したのに加え、スマホアプリで簡単に注文できる利便性などが支持された結果だが、フードデリバリーはアメリカ人にとってひとつのライフスタイルとなりつつあると言っても過言ではないだろう。

アメリカ人が好きな国の料理ベスト10

ところで、そんなアメリカ人はフードデリバリーで一体どのようなものを注文しているのだろうか。フードデリバリー大手のUber Eatsが、自社のユーザーの利用状況をまとめたレポートを発行しているが、その中でアメリカ人が好きな国の料理をランキングにしている。それをご紹介したい。

 

10位 ベトナム

アメリカでベトナム料理が食されるようになったのは、ベトナム戦争さなかの1960年代とされる。当初はベトナムからの難民が多く住むニューヨークやカンザスシティなどを中心に広まり、今日までにアメリカの都市部を中心に一般的に楽しまれるようになった。フォーやブン・ボ・フェイなどの麺料理が人気であるほか、フランスパンで肉や野菜を挟んだサンドウィッチのバーン・ミや、海老や野菜などを巻いた生春巻きなどが人気のデリバリーフードとなっている。

9位 イスラエル

ユダヤ系住民が多く住むアメリカでは、ユダヤの伝統的な料理も一般的に親しまれている。中でももっとも人気があるのがベーグルだろう。特にクリームチーズやスモークサーモンのロックスを乗せたベーグルが人気で、アメリカ人が大好きな食べ物となっている。ニューヨークにはユダヤ人も多く住んでいるが、市内の各所でベーグル専門店が営業し、多くがデリバリーに対応している。

8位 ギリシャ

ギリシャを中心とするいわゆる地中海料理もアメリカ人は大好きだ、ナスなどの野菜がたっぷり入ったムサカ、フェタチーズがトッピングされたギリシャ風サラダ、肉と野菜を串に刺して焼いたスブラキ、ヨーグルトベースのディップのザジキ、トマトベースの豆スープのファソラザ等々が人気のデリバリーフードとなっている。ギリシャ系移民が多く住むニューヨークでは、多くのギリシャレストランがデリバリーに対応している

7位 タイ

タイ料理もアメリカ人が大好きなデリバリーフードだ。アメリカ人が好きなタイ料理のデリバリーフードは、有名なトムヤムクンに加え、ソムタム(グリーンパパイヤサラダ)、トムカーカイ(鶏肉のココナッツソース)、レッドカレー、パドタイ(タイ風焼きそば)などとなっている。なお、アメリカのタイレストランのほとんどがデリバリーに対応している。

6位 日本

アメリカでもっとも人気がある日本のデリバリーフードは、なんといっても寿司だろう。カリフォルニアロールやスパイシーツナロールなど、アメリカで生まれた新種の寿司が人気となっている。また、カツ丼や天丼などの丼物、ラーメン、鶏肉の照り焼き、味噌汁、枝豆なども人気のデリバリーフードとなっている。

5位 イタリア

古くからイタリア移民を多く受け入れてきたアメリカでは、イタリア料理はもはやアメリカのローカルフードと言ってもいい存在になっている。アメリカ人の好きなイタリア料理のデリバリーフードは、ラザーニャ、スパゲティ・ミートボール、トマトソースパスタ、ラビオリ、マカロニアンドチーズなどだ。また、イタリア生まれのピザはアメリカで独自の進化を遂げ、アメリカを代表する料理としての地位を獲得している

4位 インド

インド料理もアメリカ人が好きなデリバリーフードだ。特に定番のバターチキン、タンドリーチキン、サモサ、ビーフ・ビンダルー、チキン・ティッカ・マサラ、バターナンなどが人気だ。また通常のメニューに加え、ベジタリアンメニューやヴィーガンメニューなども人気になっている。



3位 中国

中華料理はアメリカ人が古くから好むデリバリーフードだ。アメリカ人は、特にスウィートサワーポーク(酢豚)、オレンジチキン、チキンチャウメン(チキン焼きそば)、フライドライス(チャーハン)、スプリングロール(春巻き)などがお気に入りだ。デリバリー用に容器も標準化されており、中華料理はアメリカのフードデリバリーの定番カテゴリーになっている。

2位 アメリカ

アメリカを代表する食べ物は何かと問われれば、筆者はハンバーガーとサンドウィッチだと答える。いずれもアメリカで誕生、または進化を遂げた食べ物で、アメリカの食文化を構成する重要な要素であると考える。フードデリバリーでは、各種のハンバーガーのデリバリーが圧倒的に多い。また、サンドウィッチではパストラミビーフサンドウィッチ、グリルドチーズサンドウィッチ、BLT(ベーコン、レタス、トマト)サンドウィッチなどが人気のようだ。

1位 メキシコ

タコスやブリトーなどは、もはやアメリカの国民食と呼べるメキシコ料理だ。肉や野菜を包んだファヒータなどとライスやビーンズがセットになった「コンボミール」をデリバリーで頼むのが一般的のようだ。メキシコ料理は価格もリーズナブルで、ボリュームも総じて大きい。大人から子供まで大好きな料理となっている。

移民の国アメリカが持つ多様な食文化

アメリカ飲食宅配アメリカという国の食文化をひと言で表すならば、多様性がもっとも適切だろう。フードデリバリーの世界でもその多様性が大いに見られ、アメリカ人が実際に多様な食文化を楽しんでいることがわかった気がした。また、アメリカには伝統を守るという文化も根強くあり、食文化においてもそれが言える。ベーグルという食べ物は14世紀に誕生したそうだが、現在においても当時とほぼ同じものがアメリカで食されている。アメリカのフードデリバリーは、今後も多様性と伝統を保持しながら拡大を続けてゆくだろう。

参照サイト
https://www.uber.com/newsroom/the-2021-uber-eats-cravings-report/
https://www.realsimple.com/food-recipes/shopping-storing/food/most-popular-food-delivery-orders-uber-eats

Uber eatsで複数のバーチャルレストランを開き、売り上げアップを狙うには