2年以上におよんだ訪日客の入国制限が緩和され始めた。コロナの世界的なパンデミックにより事実上の鎖国政策を布いていた日本へ、インバウンド客が少しずつ戻り始めている。観光庁が行った「訪日外国人の消費動向調査」によると、訪日客の来日の最大の目的として日本食を食べることが挙げられているが、彼彼女らはどの日本食を求めて来日するのだろうか。最新の情報をお伝えする。

飲食店もくじ

緩和され始めた入国制限

2年以上続いた我が国の鎖国政策に終止符が打たれた。政府は今年2022年6月1日から1日あたりの入国者総数を2万人に引き上げるとともに、入国時の検査実績で陽性率が低い国については入国時検査を行わずに入国を認めることにするとした上で、6月10日からは添乗員付きのパッケージツアーでの観光客受け入れを再開すると発表した。添乗員付きのパッケージツアーという制約はあるものの、2年ぶりに海外からの訪日客が日本の土地を踏めるようになったのだ。

羽田空港、成田空港、関西国際空港などの主要国際空港では訪日客来日再開に備え、飲食店や土産物店などがスタッフを増員し、在庫を積み増すなどの対応に追われているそうだ。

来日の最大の目的のひとつは「日本食を食べること」

ところで、訪日観光客は一体、何を目的に来日するのだろうか。観光庁が行った「訪日外国人の消費動向調査」によると、訪日客の来日の最大の理由は「日本食を食べること」で、実に回答者の70.5%がそのように答えている。次いで「ショッピング」(54.4%)、「自然・景勝地観光」(46.5%)、「繁華街の街歩き」(41.7%)、「温泉入浴」(28.1%)と続いており、観光スポットを訪れることよりも日本食を食べることを楽しみにしているのだ。

では、訪日客は具体的にどの日本食を食べに来日するのだろうか。大手旅行会社HISのアメリカ法人が実施した調査の結果をご紹介したい。

訪日客が食べたい日本食ベスト10

10位 おにぎり

第10位はおにぎりだ。日本のコンビニは訪日客に評判が良いが、コンビニで日本のおにぎりを初めて食べてハマったという人が少なくない。昨年行われた東京オリンピックで来日した各国のジャーナリスト達が、コンビニのツナマヨおにぎりを絶賛する動画が数多く発信されている。初来日したカナダ人ジャーナリストがコンビニのツナマヨおにぎりをほめたたえる動画が世界中に拡散したことは記憶に新しい。また、日本のおにぎり専門店を紹介する動画なども流され、ディープなおにぎり店の情報も拡散されている。

9位 焼肉

第9位は焼肉だ。焼肉はアメリカではJapanese Barbequeと呼ばれ、最近特に人気を博している。日本の焼肉チェーン店が全米の各都市に出店し、多くの地元客を集めている。欧米の飲食店では日本の焼肉店のように客が自分で料理するタイプの店はほとんどなく、珍しさも手伝って焼肉の人気を上げているようだ。また、神戸牛などの高級和牛を求めるニーズも相まって、日本で焼肉を食べたい人を増やしているようだ

8位 蕎麦

第8位は蕎麦だ。欧米では、これまでに日本のラーメン店が多数出店し、名実ともに人気の日本食として現地に定着してきた。それに対し、日本の蕎麦の存在はこれまでにほとんど知られていなかった。しかし、訪日ユーチューバーなどが日本の蕎麦や蕎麦店の情報を発信するなどした結果、日本の伝統的な蕎麦の存在が少しずつ海外に知られるようになってきた。シンプルだが、長い歴史と伝統を持った日本の蕎麦は、今後より多くの訪日客を魅了する可能性に満ちている

7位 焼き鳥

第7位は焼き鳥だ。焼き鳥は古くから欧米の訪日客に人気の日本料理だ。居酒屋の定番メニューとして人気であるほか、最近は焼き鳥専門店の情報が拡散し、訪日観光客の人気を集めている。人気の焼き鳥店の情報は著名フード・ユーチューバーなどが拡散し、隠れた焼き鳥の名店に訪日客を集める事態を発生させている。また最近焼き鳥に加え、焼きとんやもつ焼きの人気も高まっている。

6位 しゃぶしゃぶ

しゃぶしゃぶも古くから多くの訪日客に人気の日本料理だ。焼肉と同様、客が自分で料理するスタイルが面白いということに加え、単に美味しいという理由で人気のようだ。YouTubeには日本で初めてしゃぶしゃぶを食べたというリアクション動画が多数投稿され、多くの視聴数を稼いでいる。また、焼肉と同様、神戸牛などの高級和牛を食べたいというニーズも相まって、しゃぶしゃぶの人気を高めているようだ

5位 お好み焼き

第5位はお好み焼きだ。日本には主に大阪風と広島風の2つのお好み焼きの種類があるという情報が広がりつつあり、特に広島風のお好み焼きを絶賛する声が高まっている。また、大阪風のお好み焼きについても、自分で好きなように料理するというスタイルが面白がられ、人気を集める結果となっている。お好み焼きも、今後より多くの訪日客を引き寄せるキラーコンテンツになる可能性を秘めている。


4位 カレー

第4位はカレーだ。日本のカレーはJapanese Curryと呼ばれ、インドのカレーとは違う、まったく別物の固有の「日本料理」であると認識されている。特に日本の大手カレー店チェーンのカレーが、辛さを自由に調節できることや、好きなトッピングを加えることができることなどとともに紹介され、人気を集めている。ちなみに日本のカツカレーはイギリスに「逆輸出」され、イギリス国民の新たな国民食になりつつあるという

3位 天ぷら

第3位は天ぷらだ。日本料理としての天ぷらの名を知らぬ人は少なく、世界中に知られている日本食だ。特に訪日客の多くは、天ぷら専門店での天ぷらを求めて来日する。日本の天ぷら専門店の天ぷらは、素材の豊富さや鮮度、調理技術、店の雰囲気やサービス等々、いずれも海外で食べる天ぷらとは比べ物にならないと評判だ。また、最近は天ぷらに加えて天丼に関する情報も拡散し始めており、今後さらに人気を集める可能性がある。

2位 ラーメン

第2位はラーメンだ。今やラーメンは日本を代表する日本料理のアイコンと言って問題ないだろう。中国人訪日客ですらラーメンを「日本料理」として認識している。スープの豊富さ、麺の種類、トッピングの豊富さ等々に加え、地域性も多分に帯びたラーメンは、日本各地の郷土料理としても存在している。また、最近はラーメンに加えて、つけ麺の人気が高まっている。今後はつけ麺の人気がさらに高まってゆく可能性が高いだろう。

1位 寿司

第1位は寿司だ。寿司はまさに日本を代表する日本食であるといって差し支えないだろう。長い歴史と伝統に加え、現在も進化を続ける日本の寿司は、高い技術と経験に裏打ちされた職人技の生み出す至宝の料理である。今や寿司は世界中で食されているが、訪日客が来日して初めて日本の寿司を食べ、「自国で食べたものとは全くの別物」であると衝撃を受けるケースが少なくない。

鮮度管理を含む海産物のロジスティクスの精緻さや並外れた運用システム、各店の優れたクオリティコントロールシステムなど、日本の寿司のクオリティの高さには相応の理由がある

まとめ

以上、訪日客が食べたい日本食ベスト10をご紹介した。いずれの日本食についても言えることだが、日本食は、それ自体が訪日客を引き寄せる貴重で強力な観光資源である。我々日本人が普通に食べている日常の食べ物が、シンプルだがパワフルな観光資源であることを理解し、それを受け継いできてくれた先人に感謝する必要があるだろう。我々の日本食には、まだまだ多くの可能性が秘められている。

参考
https://gallery.intage.co.jp/hounichigaikokujin/
https://top.his-usa.com/destination-japan/blog/most_popular_japanese_foods_amongst_tourists.html