これまでに紹介したアメリカで代替肉を製造しているインポシブル・フーズビヨンド・ミートという会社。現在、急速に拡大している代替肉市場を二分している両者の代替肉の進化とその先を追います。

 

拡大を続けるアメリカの代替肉市場

インポシブル・フーズとビヨンド・ミートともに色々な種類の代替肉を製造しているが、主力商品はハンバーガー用の代替肉だ。見た目がハンバーグにそっくりで、味もハンバーグに近い。ハンバーガーはアメリカ人の大好きな食べ物のひとつで、需要が非常に大きい。アメリカでは現在、健康上の理由や環境保護などを理由に、本物の肉の消費を控える人が増加しているが、そうした人たちが両者の代替ハンバーグやハンバーガーを購入している。

外食チェーンで採用が相次ぐ両者の代替肉

インポシブル・ワッパーを利用したハンバーガー
インポシブル・ワッパーを利用したハンバーガー

ところで、両者の代替肉は外食チェーンでの採用が相次いでいる。まずはインポシブル・フーズだが、バーガーキングでインポシブル・ワッパーとして提供されている。ワッパーはバーガーキングの主力商品だが、ハンバーグをそのまま代替肉に切り替えて提供している。今日現在、アメリカの一部の店舗でしか提供されていないが、年内までに全米の全店舗で提供がはじまるそうだ。インポシブル・フーズの代替肉はまた、高級ハンバーグレストランのレッド・ロビン、ホワイト・キャッスル、ウマミ・バーガー、ファット・バーガー、ハードロック・カフェ、アップル・ビーズなどでも提供されている。

次にビヨンド・ミートだが、同社の代替肉はバーガーキングのライバルのマクドナルドでPLTサンドウィッチとして提供されている。現在はカナダの28店舗でテスト販売が行われているが、いずれアメリカの店舗でも販売が開始されるだろう。また、カールスジュニアもビヨンド・ミートの代替肉を使ったハンバーガーを提供している。ほかにもサブウェイ、ヤードハウス、TGIフライデーズ、ネクストレベル・バーガー、ツイン・ピークス、ベアバーガーなどのレストランがビヨンド・ミートの代替肉を提供している。なお、ビヨンド・ミートの代替肉は、ディズニーワールド内のレストランでも使われている。

 

それぞれの原料は?

インポシブル・フーズ
インポシブル・フーズの原材料

ところで、両者の代替肉だが、一体何を原料にしているのだろうか。まずはインポシブル・フーズの代替肉だが、濃縮大豆プロテインを主原料に、ココナッツオイル、ヒマワリオイル、ジャガイモプロテイン、フードスターチ、メチルセルロースなどを、各種のビタミン類とともに混ぜ合わせて作られている。主原料の大豆プロテインを密に濃縮することで、牛肉のような食感を実現している。

次にビヨンド・ミートの代替肉だが、豆プロテイン、キャノーラオイル、ココナッツオイル、竹由来セルロース、ポテトスターチ、ヒマワリオイル、ドライイースト、野菜グリセリン、柑橘類ジュース、濃縮ビートジュースなどを原料にしている。ビヨンド・ミートの代替肉は、見た目を牛肉に似せるため、酢酸やアナトーなどを使って着色している。

両者ともに豆系のプロテインを主原料にし、ココナッツオイルやヒマワリオイルなどを使って「脂身」の風味を出し、プロテインを濃縮することで肉のような食感を実現している点が共通している

 

テイストテストでの勝者は?

ビヨンド・ミート
ビヨンド・ミート を利用したマクドナルドのP.L.T.

では、実際のお味の方はどうだろうか。C-Netが行った両者を比較するブラインドテストによると、両者ともに「牛肉のような(Beefy)」食感だが、普通の牛肉とは「明らかに味が違う」とのことだ。見た目は確かにハンバーガーだが、味そのものは牛肉に到達していないようだ。なお、両者のどちらが好きかという問いには、三人のうち二人がインポシブル・フーズの代替肉が好きと答えている。

また、バーガーキングのインポシブル・ワッパーと普通のワッパーを比較する別のテイストテストでも、両者は見た目が極めて似ているが、味そのものは違うという結論に至っている。しかしながら、インポシブル・ワッパーが美味しくないというのではなく、味は決して悪くないという。実際に、インポシブル・ワッパーは普通のワッパーよりも値段が1ドル高いにも関わらず売れていて、バーガーキングの利用者の半数以上が1ドルのプレミアムを払ってでもインポシブル・ワッパーを購入すると答えている

 

進化を続ける両者の代替肉

インポシブル・フーズの代替肉もビヨンド・ミートの代替肉も、まだまだ進化の過程にあるのは間違いない。インポシブル・フーズの代替肉は現在バージョン2.0だそうだが、今後バージョンが上がるにつれて味も良くなっていくだろう。アメリカでは現在、ハンバーガーレストランなどの飲食店に加え、スーパーマーケットなどでも両者の代替肉が買えるようになっている。

代替肉市場は今後、家庭での消費が本格化することでいよいよ本格的な成長を開始するだろう。代替肉を使った料理がアメリカを代表する「新たな家庭料理」となる日も、そう遠い先のことではないかもしれない。

 

[ビヨンド・ミートについての詳しい記事]

[インポシブル・フーズについての詳しい記事]

参考URL:
https://www.cnet.com/news/beyond-meat-vs-impossible-burger-whats-the-difference/


ライタープロフィール:
前田健二
東京都出身。2001年より経営コンサルタントの活動を開始し、新規事業立上げ、ネットマーケティングのコンサルティングを行っている。アメリカのIT、3Dプリンター、ロボット、ドローン、医療、飲食などのベンチャー・ニュービジネス事情に詳しく、現地の人脈・ネットワークから情報を収集している。