「新しい事業に挑戦したいけれど、初期投資の資金が足りない…」
「設備やシステムの導入に補助金を活用できるの?」
中小企業や中堅企業が新市場への進出や事業転換に踏み出す際、大きな支えとなるのが「事業再構築補助金」です。組織再編や新規事業にともなう設備投資・体制づくりにかかる費用の一部をまかなえる制度で、成長戦略の実現を後押しします。
本記事では、事業再構築補助金の対象となる取り組みや主要コース、審査で重視される観点、申請の流れを順に整理。さらに採択率を高めるための実務ポイントも具体的に紹介します。飲食店の新規開業や業態転換を考えている経営者向けに、現場運営を効率化するPOSレジ活用の考え方もあわせて解説します。
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事業再構築補助金とは?
事業再構築補助金は、ポストコロナの環境変化に合わせて新分野展開や業種・事業転換、事業再編などに挑む事業者の投資を後押しする制度です。
対象は中小企業等を中心に、中堅企業も含みます。公募ごとに定められる指針と要領に沿い、定義に該当する計画を作成し、審査を通過すると補助上限・補助率の範囲で設備やシステム等の経費が支援されます。
事業再構築補助金が使用できる4つの対象
事業再構築補助金の対象は、代表的に次の4つです。章の後半で各内容を順に解説します。
新市場進出
新市場進出は、既存の顧客層や販路とは異なる市場へ乗り込む取り組みが該当します。
既存製品の用途転換で新しい顧客層を開拓するだけでなく、新しい販売チャネルを整え地域外へ展開する場合も新市場進出として、事業再構築補助金を使用できる可能性があります。
事業転換
事業転換は、同じ業種の中で取り扱う製品・サービスの主軸を切り替える動きが対象です。
既存ラインの延長ではなく、収益構造が変わる程度の転換であるかを示す視点が要点です。顧客価値の再定義、価格帯や販売方法の変更、供給体制の見直しなど、売上の立て方が変化する根拠を事業計画に組み込みます。
評価では新収益の見通しと実行手段の整合性が注目されます。
業種転換
業種転換は、会社全体の主たる業種を別の業種へ切り替える動きが対象です。
統計上の産業分類が変わるレベルの変更で、新規設備の導入や専門人材の確保など、土台づくりに踏み込む計画が前提です。
転換後の市場規模と自社の勝ち筋、初期の収益カーブ、要する固定費の水準を数字で示し、投資額と回収の整合性を説明します。
事業再編
事業再編は、合併や会社分割、事業譲渡など、組織を組み替えて収益源の再構築を図る取り組みが対象です。
再編のスキーム、資本・人材・設備の配置転換、統合後のシナジーを明確にし、統合コストと運転資金の見積もりを計画へ反映します。
再編後の管理体制や内部統制の整備も記述すると、実現性の評価で不利になりません。
事業再構築補助金の応募条件
事業再構築補助金を申請する際は、次の3つの応募条件をすべて満たす必要があります。
- 事業再構築要件
- 金融機関要件
- 付加価値額要件
事業再構築要件は、新市場進出、事業転換、業種転換、事業再編のいずれかに該当する取り組みであることが求められます。
金融機関要件では、作成した事業計画の金融機関または認定経営革新等支援機関による確認を受けていなければなりません。
付加価値額要件は、補助事業終了後3〜5年で付加価値額、または一人あたり付加価値額を年平均3〜4%以上増加させる見込みを示すことが必要です。
上記の条件は、公募ごとの要領で変更される可能性があるため、公式サイトや最新の公募資料を必ずチェックして準備を進めましょう。
事業再構築補助金の3つのコース
本制度の主なコースは次の3つです。性質の違いを踏まえて、自社の計画に合う枠を選びましょう。
- 成長分野進出枠(通常類型)
- 成長分野進出枠(GX進出類型)
- コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)
成長分野進出枠(通常類型)
成長分野進出枠(通常類型)は、中長期の成長が見込まれる分野へ挑戦する取り組みを支援する枠です。
新製品・新サービスの開発や提供方法の刷新、販売網の再設計などをともない、売上と付加価値の伸びを裏づける構成が求められます。
補助上限や補助率は企業規模や上乗せ条件により異なるため、該当の数値を資料で確認し、投資規模と回収のバランスを設計します。
成長分野進出枠(GX進出類型)
成長分野進出枠(GX進出類型)は、グリーン成長戦略の重点分野に資する取り組みが対象です。
省エネ、再生可能エネルギー、資源循環など、環境価値と事業価値を同時に高める計画が想定されます。
対象技術や要件は公募時点の資料で定義されるため、該当性の確認を早めに行い、必要な実証や連携体制を段階的に組み入れます。
コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)
コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)は、業況の回復と賃上げの両立を目指す取り組みに焦点を当てた枠です。
最低賃金の引上げに対応しながら、生産性の向上や収益源の再設計に踏み出す計画を対象とします。賃上げの水準や時期、資金繰りへの影響を事業計画内で明記し、投資と人件費の見通しを一致させます。
事業再構築補助金で採択されるための3つの評価ポイント
審査の観点は多岐にわたりますが、要点は次の3つです。
- 新規事業の成長性・有望性
- 事業計画の実現性
- 補助金活用の必要性
新規事業の成長性・有望性
狙う市場の規模、伸び率、参入余地など、新規事業の成長性・有望性が評価のポイントです。
価格帯、差別化要素、販売体制、初期の受注見込みなど、売上の立ち上がりの道筋を段階的に表現し、達成までのボトルネックと対応を具体的に記載しましょう。
裏づけ資料の出典を明記し、推計の方法を簡潔に添えると説得力が増します。
事業計画の実現性
工程、体制、資金計画の整合性など、事業計画の実現性も評価のポイントです。
マイルストーン、担当者、外部パートナー、設備の調達時期、検収の方法、試運転から量産・本格提供までの切り替え条件を一連で示し、遅延時の備えも充実させましょう。
資金面は投資額、運転資金、自己資金・借入の内訳、資金繰り表の前提をそろえるとよいです。
補助金活用の必要性
補助金活用の必要性が明確かどうかが採択時の評価のポイントです。
補助金がなければ、事業再構築の取り組みの規模や時期が変わってしまう理由を、資金制約やリスク許容度の観点で記述しましょう。
民間資金だけでは難しい理由、期待される外部性、地域・雇用への波及を合わせて整理すると、制度趣旨との合致が伝わりやすいです。
事業再構築補助金で採択されるための3つのコツ
実務で踏み出しやすい工夫は主に次の3つです。
- 賃上げやワークライフバランス改善などの取り組みを行う
- 事業計画書を作る際は専門家に相談する
- 事業再構築を行う理由や付加価値を明確にする
賃上げやワークライフバランス改善などの取り組みを行う
賃上げやワークライフバランス改善など従業員の待遇や働き方改善の取り組みを行うことが大切です。
賃上げの方針や対象、時期などを事業計画に明記し、人材定着や生産性の向上と結び付けましょう。働き方の見直しも、提供価値を高める文脈で具体化すると評価の軸に沿いやすくなります。
事業計画書を作る際は専門家に相談する
金融機関や認定経営革新等支援機関の伴走により、事業計画の妥当性や資金計画の現実味が増します。
確認書類の取得に向けた打ち合わせを早期に設定し、要点のすり合わせと必要資料の洗い出しを並行しましょう。
相談先の役割とスケジュールを事前に共有すると、申請直前の手戻りを抑えられます。
事業再構築を行う理由や付加価値を明確にする
事業再構築を行う理由や付加価値の明確化で、事業再構築補助金に採択される可能性を高められます。
現状の課題、取り組みの必要性、提供価値の違いを結論から記述しましょう。どの顧客の、どの不を解消し、どの数字がどう変化するかを記載し、その後に根拠を付け加えると説得力を高められます。
事業再構築による、付加価値額の伸び目標は、売上・原価・人件費の前提に基づく試算で裏づけ、検証可能な形で示すことも重要です。
事業再構築補助金の申請の流れ【7STEP】
事業再構築補助金は、申請から補助事業の実施・報告まで7つのステップに分かれています。
申請前には事業計画を策定し、認定支援機関の確認を受ける必要があります。以下の流れを参考に、申請の準備を整えましょう。
- 応募申請
- 採択発表
- 交付申請
- 補助事業実施
- 実績報告
- 精算払請求
- 事業化状況報告
事業再構築補助金は、申請前に事業計画を策定し、認定支援機関の確認を受ける流れで申請から補助金の受け取りを進めます。
審査結果を受けた後、採択されれば交付申請と事業実施に進むため、採択されたことで補助金の交付が決定されるわけではない点に注意が必要です。
参考記事:応募申請|経済産業省
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関連記事:ポス・キューブだからできること
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新たに飲食店を開業したい、もしくは事業転換に挑戦したいと考える経営者にとって、初期投資の資金確保は大きな壁となります。こうした挑戦を支援する国の制度が「事業再構築補助金」です。新分野展開や業態転換などを後押しし、採択にあたっては成長性・実現性・補助金の必要性が重視されます。
ただし、補助金の申請と並行して、開業後の運営課題にも備えることが欠かせません。飲食店では、席回転率や品切れ防止、会計のスムーズ化が初期からの大きな課題です。ここで役立つのが飲食店向けに特化した効率化ツール「poscube」です。注文・会計・在庫を一元管理でき、売上分析や顧客管理機能が充実しているため、経営改善に直結します。
さらに、モバイルオーダーや自動釣銭機との連携を段階的に追加できる拡張性もあり、補助金を活用した投資対象として相性がよいのも特徴です。制度とツールを組み合わせによる導入で、開業計画を数値に落とし込みやすくなり、長期的な成長の土台を築けるでしょう。


