日本で活躍するアメリカ人ユーチューバー、パオロ・グズマンさんが人気だ。日本を拠点にする外国人ユーチューバーが増え続ける中、パオロさんは日本に関心がある海外の視聴者に向けて日本の食や観光などの情報を発信している。そんなパオロさんがお勧めの東京ストリートフードを紹介している。外国人のパオロさんにとっては、日本のどのストリートフードが魅力的なのだろうか。
人気アメリカ人ユーチューバーのパオロさん
パオロ・グズマンさんはカリフォルニア州出身のフィリピン系アメリカ人だ。ロサンゼルスのペパーダイン大学の三年生の時に交換留学生として来日したパオロさんは、ただちに「日本と恋に落ち」それ以来、東京に住み続けている。日本で大学を卒業後、複数の企業での就職、起業などを経験した後にユーチューブでの情報配信を開始し、コロナ禍でも緊急事態宣言後の東京の様子や、営業再開した東京ディズニーランドなどのレポートの配信を続け、現在に至っている。
パオロさんのユーチューブ・チャンネル「パオロ・フロム・トーキョー」には2020年10月15日現在167万人もの視聴者が登録し、投稿動画には多いもので1千万回以上もの視聴回数がカウントされている。パオロさんによると、パオロさんの現在の職業は「100%フルタイムのユーチューバー」で、収入のすべてをユーチューブから得ているという。動画のクオリティも軒並み高く、スポンサーとのタイアップ動画なども投稿されている。視聴者との交流も盛んで、投稿動画のコメント欄には世界中の視聴者からのコメントが英語と日本語で多数書き込まれている。
パオロさんお勧めの東京ストリートフードベスト10
では、東京が大好きだというパオロさんお勧めの東京ストリートフードは何だろう。以下に見てみよう。
1位 築地場外市場・まぐろや黒銀のマグロの大トロ丼
卸売市場は2018年10月に豊洲に移転したが、築地場外市場は現在も存続し、多くの外国人観光客を集めている。仕入れたばかりの新鮮なマグロを豪快に切り、ご飯の上に大量に乗せたまぐろや黒銀のマグロの大トロ丼は、世界に類を見ないストリートフードだろう。パオロさんの大好物だそうだ。
2位 中目黒・雅庵(みやびあん)のわらび餅
一般的なわらび餅よりもやや柔らかめのわらび餅は、食感がユニークであるだけでなく、甘いきな粉との組み合わせが絶妙だそうだ。中目黒の住宅街に店を構えている点も面白く、隠れ家的な雰囲気が味わえるのもいいという。和菓子好きの人には絶対にお勧めだとしている。
3位 下北沢・天満屋(てんまや)のカレーパン
訪日客の中には、どこにでもあるような日本のパン屋でパンを買って食べ、そのクオリティの高さに驚く人が少なくないという。パオロさんのお気に入りはカレーパンで、中でも天満屋のカレーパンが大好物だという。値段はひとつ250円と少々高めだが、クランチーなパンの中に、うまみたっぷりのカレーとゆで卵が入っているのが絶品だという。
4位 吉祥寺・サーカスのクレープ、原宿・コムプレープのクレープブリュレ
日本のクレープもクオリティが高いことで知られているが、パオロさんの一押しは吉祥寺・サーカスのクレープだという。中の具のボリュームが驚くほど多く、シンプルで美味しい。おやつやデザートというよりは、一食分の食事として食べられるという。いつも行列ができているのが難だが、クレープ好きには絶対おすすめだとしている。
クラッシーなクレープをお探しの人におすすめなのが原宿・コムプレープのクレープブリュレだ。そのエレガントな味わいは、他のどこのクレープ店で味わえないユニークなものだという。初期に投稿した別の動画でもコムプレープのクレープブリュレを扱ったが、視聴者からの賛同のコメントが大量に投稿され、大変なことになったそうだ。
5位 戸越銀座・龍輝(りゅうき)の焼き小籠包
東京の有数の商店街、戸越銀座に店を構える龍輝の焼き小籠包は、パオロさん大のお気に入りだという。出来立ての焼き小籠包を店頭で食べるのが最高で、絶対にお勧めだという。厚めの皮から染み出る肉汁は濃厚で、皮そのものもクランチーで美味しい。値段も一つ200円とリーズナブルだという。
6位 下北沢・とよんちのたまごのプリン
地鶏の卵をふんだんに使って作られたとよんちのたまごのプリンはクリーミーで、リッチな味わいが絶妙だという。パオロさんによると、プリンも「日本化」(日本で改造されて独自に進化すること)した代表的な食べ物のひとつで、外国人が日本に来たら「トライすべきもの」なのだそうだ。
7位 築地場外市場・きつねやのもつ煮込み
狭い店内の大鍋で作られるきつねやのもつ煮込みは、タレを継ぎ足しで連綿と作られ続けてきた絶品で、これも日本に来たら「トライしなければならない」日本独自の食べ物なのだそうだ。モツ煮と同じタレで作られる牛丼も絶品で、ファストフードの牛丼とは「まったく別のもの」だという。
8位 六本木・イエロのかき氷
六本木・イエロのかき氷は、普通のかき氷とは一線を画す絶品だそうだ。ボリュームが多く、フレーバーやトッピングもユニークで、非常に個性的なかき氷となっている。夏には連日行列ができるので、注意してほしいとのこと。
9位 十条銀座・だるまやのあまおう草餅
十条銀座・だるまやのあまおう草餅もパオロさんのお気に入りだ。大きめの草餅に巨大なイチゴ(あまおう)がトッピングされていて、食べ応えも十分。新鮮なイチゴは驚くほどジューシーで、草餅との相性も抜群。草餅のゲームチェンジャーであると絶賛している。
10位 浅草・縁(ゆかり)の鶏のから揚げ
パオロさんは日本の鶏のから揚げが大好きなのだそうだが、中でも一番のお気に入りが浅草・縁(ゆかり)の鶏のから揚げ。つけ汁をよくしみこませた鶏肉はジューシーで、外側が驚くほどクリスピー。揚げ加減も絶妙で、ゴールデンブラウンに揚がっている。いつでも買いにゆきたいほど大好きなのだそう。
パオロさんの東京ストリートフードベスト10
「マニア化」する外国人旅行者
いかがだろう。パオロさんがかなりマニアックな情報を発信していることがわかるだろう。ひと昔前であれば、外国人旅行者の日本料理に関する知識や情報は限定的で、せいぜい寿司、てんぷら、すき焼きといった定番の日本料理を思い起こすくらいだったであろう。しかし、昨今のSNSの世界的な普及により、日本人でも知らないマニアックな情報が外国人ユーチューバーの手によって発信されるようになり、さらにその情報を求めて多くの外国人視聴者が集まるようになった。
日本の飲食店経営者としては、このトレンドを活用しない手はなく、積極的に情報を発信してゆくべきだろう。自分のお店ならではの「マニアックなモノ」を創造し、SNSやYoutubeなどを使って国内・国外に積極的に情報発信してゆく。そうした努力が結果を呼ぶ時代に、我々は間違いなく突入したのだ。
参考URL:
https://www.tokyozebra.com/about