アメリカのファストフードレストランでモバイルオーダーの利用が急増している。業界メディアのアメリカ・レストランニュースの報道によると、調査時点から過去10ヶ月間にファストフードレストランでモバイルオーダーを利用したことがある人は10人中7人で、特に18歳から24歳の若年層の利用率は90%を超えたという。アメリカのファストフードレストランでモバイルオーダーの利用が広まっている背景には何があるのか、最新の状況をお伝えする。
ファストフードレストラン利用者の10人中7人がモバイルオーダーを利用

アメリカ・レストランニュースが、2025年2月に調査会社IPSOSが行った調査の興味深い結果を伝えている。調査対象となった18歳から54歳までの10人に7人が調査時点から過去10カ月間にファストフードレストランでモバイルオーダーを利用したと答えている。モバイルオーダーの利用率は高齢者層でも高く、55歳から75歳までの43%がモバイルオーダーを利用したと答えている。モバイルオーダーの利用率は18歳から24歳の若年層において特に高く、利用率は90%を超えている。
スマートフォンの保有が「一人一台」であることが標準となったアメリカで、スマートフォンによるモバイルオーダーがファストフードレストランでの「ニュースタンダード」となっている状況が見てとれるが、モバイルオーダー利用拡大の背景には何があるのだろうか。
オーダー時間を削減したいモバイルオーダー利用者

調査を実施したIPSOSによると、モバイルオーダー利用拡大の最大の理由は「オーダー時間の節約」だ。モバイルオーダーは事前にスマートフォ
ンで注文するので、店頭でオーダーのための列に並ぶ必要がない。さらに店頭での注文のように料理が出来上がるまでの時間を待たされることもない。ファストフードレストランの利用者の多くは、同じ内容の注文をリピートオーダーする傾向も高く、モバイルオーダーでより簡単にスピーディーに注文することもできる。
また店頭での注文のように店頭で支払いを行う必要もなく、事前に決済もできる。ファストフードレストランにおける「ファスト」なプロセスを「ファスター」にすることができるのがモバイルオーダーの最大のメリットだ。店頭でわざわざ列に並ぶことなく事前にスマホで注文して決済も済ませ、店頭で注文した品物を受け取ってそのままゴー。時間に追われる多くの現代人にとって、これほどありがたい注文方法はないであろう。
お客ごとのカスタマイズ機能もインセンティブに

IPSOSはまた、モバイルオーダーが提供するカスタマイズ機能もモバイルオーダー利用を促すインセンティブになっていると指摘している。カスタマイズ機能とは、オーダーをする人の好みやオプションに基づいてオーダーできる機能のことだが、利用者にとっては無視できない重要な機能だ。
例えば、ピクルスが嫌いな人であればピクルスなしのハンバーガーを注文するわけだが、対人でのオーダーの場合、「ピクルスなし」を毎回リクエストしなければならない。モバイルオーダーであれば、「ピクルスなし」をあらかじめ選択しておくことで注文のデフォルトとなり、毎回毎回リクエストする必要がなくなる。フライドポテトにケチャップを多めに付けて欲しい、コーヒーにはクリームだけを付けて欲しい、チーズバーガーにマスタードは入れないで欲しい等々、お客が求めるものは様々だ。モバイルオーダーを提供することで、それぞれのお客に個別に確実に対応することが可能になる。
モバイルオーダーでお客との対話の促進も

また、モバイルオーダーでお客との対話が促進できることも大きなメリットだ。一般的にモバイルオーダーは通常、スマホに専用アプリをインストールするか、第三者が提供するモバイルオーダープラットフォームを利用して提供される。いずれのケースにおいても、お客に応じたクーポンを発行したり、誕生日のメッセージなどを送ることなどが可能だ。
スマートフォンをデバイスにしてお客と店との対話が行えるわけだが、結果的にリピートオーダーの増加やお店に対するロイヤリティの拡大につながる可能性がある。対人でのやりとりでは難しかったお客との密接なコミュニケーションがスマートフォンを使って行えるということは、お店にとって新たなコミュニケーションを展開するための強力なツールになるだろう。
日本でもモバイルオーダーの利用が広がる可能性が
なお、本ブログ「飲食店経営プロ」を主宰・運営している株式会社フォウカスは、飲食店が簡単にモバイルオーダーを導入できるプラットフォーム「poscubeモバイルオーダー事前決済」を提供している。「poscubeモバイルオーダー事前決済」の使い方は非常に簡単で、お店のテーブルに用意したQRコードをお客のスマホのカメラで読み込み、スマホのブラウザにモバイルオーダーメニューを表示してもらう。表示されたモバイルオーダーメニューから注文したいアイテムをカートに入れ、決済画面で決済するだけだ。決済はクレジットカード、PayPay、Alipayなどで行える。キャッシュ決済が多いフードコートでの利用を想定して開発されたということもあり、テイクアウトメニューの売上比率が高い飲食店などには打って付けだ。
アメリカで現在進行中のファストフードレストランを中心としたモバイルオーダーの普及は、いずれは日本においても同様に拡がることは確実だろう。テイクアウトメニューの売上比率が高いファストフードレストラン、カフェ、弁当店、持ち帰り寿司店、フードトラックなどにおいては、モバイルオーダーが必須になる可能性が高い。いずれにせよ、このトレンドの影響を受ける可能性が高い飲食店には、早々にモバイルオーダーを導入されることをおすすめする。
参考サイト
https://www.nrn.com/restaurant-insights/study-ordering-ahead-pervasive-among-all-generations
https://www.nrn.com/restaurant-technology/how-panda-express-and-other-brands-are-dominating-mobile-order-pickup
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大学卒業後渡米し、ロサンゼルスで飲食ビジネスを立ち上げる。帰国後複数の企業の起業や経営に携わり、2001年に経営コンサルタントとして独立。新規事業立上げ、マーケティング、アメリカ市場進出のコンサルティングを行っている。米国のベストセラー『インバウンド マーケティング』(すばる舎リンケージ)の翻訳者。明治学院大学経済学部経営学科博士課程修了、経営学修士。


